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あほ犬日記 blog


by ahoinu_diary

1/18(月)

夕べ深夜12時を廻った頃に、元ラブリーの店長長尾君から電話。浅川マキさんが亡くなったという。金曜日からのラブリー3デイズ最終日、時間になっても店に来ないので、ホテルに電話しても出ない。合い鍵で部屋に入ったところ、浴室で亡くなっていたとのこと。夕べは、発表までみんなに言うのは待ってくれと言われたのだが、今日の午後になってネットニュースなどで出たようだ。僕は直接の面識はないのだが、70年代から、すずらん南座などで、マキさんのコンサートを主催していた人達を知っている。彼らはショックだろうと思う。一度、TOKUZOでやらないかという話もあったが、途中で立ち消えになった。僕は、20年ほど前にラブリーで観たことがあった。音楽がどうのこうのというより、その佇まいと存在感に圧倒された。
 今日、ピアノの調律に来てくれた三ヶ田さんが、「実は土曜日にラブリーへ調律に行ったら、マキさんが早めに店に来て、1時間くらい話したんですよ」と言い出した。「最近は酔っぱらってお風呂に入ると、寝ちゃったりして、危ないのよね」と言っていたらしい。昨日は、酔っぱらっていたわけでは無さそうなのだが・・・。
 気にかかるのは、一緒に演奏するはずだった渋谷毅さんだ。高田渡さんが亡くなった時も、渋谷さんとの北海道ツアーの最中だった。声をかけると言っても、何を言っていいかわからない。
 深夜にカージャーナリストのボブ・スリーヴァが来たので、一緒に誘ってOtis'へ行く。ボブは、25年くらいの付き合いになるが、一緒に呑みに行くのは久しぶり。あれこれ話ながら呑んでいたら、前触れ無しにボブが、「TOKUZOには、ポール・ロブソンのレコードがあるか」と聞いてくる。正月に観た映画の中にチラッと映ったポール・ロブソンを観て、その存在の意味について思いを巡らせて居たりしたところだったので、ちょっと驚いた。彼は、スポーツ選手で、歌手で、俳優で、政治活動家で・・・と、あらゆる側面で突出した能力を持つスーパーマンなのだが、たとえば、1910年代に奨学金で入った大学で、唯一の黒人であったにもかかわらず卒業総代をやり、またフットボールでは黒人初のオールアメリカンに選ばれたなんて話を知ると、それがどんな様子なのか、皆目見当が付かないのである。1910年代でっせ。ロバート・ジョンソンやチャーリー・パットンの前の時代だ。その頃の時代が、彼をどのように受け止め、そこで彼がどのように戦ったのか?同胞のアメリカ黒人達は、彼にどのような感情を抱いたのか?ポール・ロブソンの自伝でもないかと思ったが、日本語では読めないようだ。
by ahoinu_diary | 2010-01-25 02:05 | 2010.1